今日が第2回定例議会の最終日です。この議会にかかった議案の賛否の討論を行います。今回は都議会民主党を代表し、猪爪が討論を行いました。
専決の承認には1件承認せず。議員提出議案2本に反対、その他の知事提出議案には賛成しました。承認しなかった専決はガソリン税の暫定税率の廃止を目指す立場から、反対しました。
オリンピック招致に関しては代表質問・一般質問の民主党への知事の姿勢が無礼だったので、私たちは無条件の賛成ではなく、これからも意見や注文をします。と、警鐘を鳴らしました。
以下は全文です。少し長いですが、ご一読いただきましたら幸いです。
私は、都議会民主党を代表して、専決の承認については、1件について承認せず、議員提出議案第13号、同14号に反対し、その他の知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。
まず、第34号議案「東京都都税条例の一部を改正する条例」について述べます。
超過課税などの大都市財源が構想された時代は、高度経済成長路線の下、東京では、企業と人口が集中する都市化が進み、公害や住宅難などの都市問題が激化し、その解決に膨大な財政需要が必要となっていました。同時に、激しいインフレによる物価高騰と物不足が起こり、都民生活が危機に瀕していました。こうした緊急需要に対処するため、昭和49年、課税自主権を行使し、全国初となる法人事業税の超過課税が実行されました。地方自治体の財政強化を図る税制改革のともなったものであり、中小企業を対象としない公益性をも考慮した課税でもあります。
この間、法人税率の引き下げや租税特別措置の整理も行われてきましたが、課税対象となる企業は集積のメリットを享受し、都は集積故の財政需要に対し、今なお支出しています。ここに、引き続き超過課税を維持していく十分な理由があると考えます。地方法人特別税の創設という国の都合で、都の実施する超過課税という課税自主権が侵害され、抑制される必要はありません。
よって、今回の改正に賛成するものです。
一方、今回の条例改正の基となった地方法人特別税の創設は、地方自治体の基幹税となっている法人事業税2兆6千億円を国税化するという、地方分権や財源移譲の流れに逆行するものです。自治体の応益性や負担分任を考えた課税や住民や法人への説明責任を阻害するものであり、分権の意欲をそぎ、一層国に依存せざるを得なくする国の権限強化そのものです。政府内にはこれを恒久化しようとの動きもあります。東京都には、改めて廃止に向けた取組を行っていくよう求めます。
次に、第146号議案「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例」について、申し上げます。
温暖化対策に向けた気運が高まるなか、今回提案された改正案は、これまで都議会民主党が求めてきた施策などが盛り込まれ、一定の評価をしたいと思います。特に、世界初となるオフィスビルの削減義務化や制度を補完する排出量取引の導入については、今後の取り組みを大いに期待するものです。
しかし、制度の枠組みはできたものの、それぞれの排出事業者に課すべき削減義務率など、条例の重要な部分は未だ決まっておりません。私たちは引き続き、都の取り組みを注視していきたいと思いますが、都においても、対象事業者などとの十分な協議や排出量取引などの都の制度の普及拡大に努められることを求めるものです。
また、温暖化対策に積極的に取り組む中小規模事業者に対するインセンティブを充実するために、省エネ促進税制の創設をはじめ、報告書制度を活用した助成制度や低利融資制度、顕彰制度の創設など、積極的に取り組むよう求めておきます。
そして、代表質問でも触れたとおり、今年3月に発表された環境審議会答申でも盛り込まれていた「自動車から排出されるCO2の削減対策」についても、早期に条例化を図るなど、積極的に進めていく必要があります。
さらに、私たちは、家庭部門での太陽光・太陽熱の活用に向けた施策の充実や日本の環境技術を世界に発信していくことなどを求め、環境・建設委員会でも、これら内容を盛り込んだ付帯決議を提案してきたところです。
東京都においても、以上、申し上げた視点から、引き続き、温暖化対策を着実に、かつ積極的に取り組むよう強く求めるものです。
次に、「地方自治法第179条第1項の規定に基づき平成20年4月30日専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認」について述べます。
民主党の道路特定財源改革の取り組みによって、3月31日、各種の暫定税率が失効し、自動車取得税や軽油引取税の税率が下がりました。都民、国民は、を下げたのでありますが、4月30日、政府・与党によって改めて暫定税率が復活し、税率が引き上げられてしまいました。悪法も法ではありますが、暫定税率は暫定であるが故に速やかに廃止されるべきものと考え、専決の承認については同意しかねると申し上げざるを得ません。
また、自動車取得税や軽油引取税は早期に一般財源化し、自動車税のように、都民にとって本当に優先順位の高い事業に使うべきと考えます。
さて、最後にオリンピック招致に関して述べます。
石原知事の事実誤認に基づく失敬千万な発言に関して申し上げます。大沢議員の再質問には答えがなく、大津議員の一般質問における「謝罪と撤回」の要求には、ただただ開き直るという体たらくでありました。このように言いがかりをつけては開き直る知事の下では、都市の品格を競うオリンピック招致など夢のまた夢にもなりかねません。
そもそも、このオリンピック招致は、平成17年8月5日の石原知事発言に始まり、それを受けた前衆院選における都議会自民党の地域公約から始まっていることをもうお忘れでしょうか。
にもかかわらず賛成した都議会における招致決議に際して、都議会民主党は6点にわたる申し入れを行い、討論においても、「私たちが賛成しなかったときの与える影響の大きさを考えての判断」であること、今後も「主体的に意見や注文をつけていく」ことを申し上げており、決して無条件の賛成ではないことなども覚えておられないのでありましょう。
ここで改めて、私たちの基本的な姿勢を申し上げるとともに、都民にとってプラスとなり、負の遺産を残さないという基本的視点から厳しくチェックしていくことを申し上げておきます。
以上、都議会民主党を代表しての討論を終えます。